こんにちは!太陽の日差しが厳しい季節になってきました。普段の生活の中で私たちが浴びる紫外線やブルーライトは、肌や身体に様々な影響を与えることが知られています。近年、年齢による老化だけでなく「光老化」も話題になっています。健康な肌や瞳を維持するためには、様々な光について正しい知識を得ることが重要です。今月は、防ぐべき光老化についてとその対策をお伝えします!
油断大敵!光老化とは?
光老化とは?
光老化とは、長時間紫外線に当たって起こる細胞のDNA損傷や皮膚の炎症、酸化ストレスなどによって皮膚の構成成分の変性が生じる老化のことです。皮膚の奥にある真皮にダメージが続くと、コラーゲンの質や量が低下し、深いシワやたるみが生じます。年齢とともによく日に当たる顔や首、手に深いシワができやすいのは、長期間紫外線を浴びたことが原因で光老化が起こっていると言えるでしょう。
また、近年スマートフォンなどの普及によって問題となっているブルーライトも肌の老化を早める原因の一つです。ブルーライトは、肌に酸化ストレスを与え、肌が本来もつ潤いやハリ、ツヤの低下を引き起こします。そのため、いつまでも若々しく過ごすためには紫外線やブルーライトを防ぐことが必要となります。
紫外線、ブルーライトで老化が起こるメカニズム
紫外線による光老化
紫外線には2種類あり、波長の短いB波(UVB)と、B波より波長の長いA波(UVA)に分けられます。波長の短いUVBは肌への刺激が強く、日焼けの際に肌が赤くなり、水ぶくれができる原因になります。一方、UVAはUVBよりも肌の奥深くの真皮まで浸透し、じわじわと影響を及ぼします。近年までUVAは肌にさほど影響はないと言われていましたが、近年の研究結果では、真皮を徐々に損傷し、光老化の原因となることが明らかになってきています。
ブルーライトによる光老化
ブルーライト(青色光線)は、目の角膜や水晶体を透過して、網膜まで到達する可視光線の中で、紫外線に次ぐ強いエネルギーを持っている光です。スマートフォンやパソコンだけでなく、太陽にも強いブルーライトが含まれています。ブルーライトを浴びると炎症反応を起こす原因となり、シミの原因となるメラニンを産生する因子と、肌に弾力や潤いを与えるコラーゲンの量を低下させることが分かっています。目に及ぼす影響は明らかになっていましたが、近年はブルーライトによる肌の老化も話題になっています。
光老化の症状
シミやシワの多くは年齢により起こると思われていますが、年齢による老化と光老化には以下のような違いがあります。
特徴 | 年齢による老化 | 光老化 |
---|---|---|
シワ | 細かく浅いシワ | 深く刻まれたシワ |
シミ | ほとんどできない | 濃く大きさが不均一なシミ |
肌の変化 | 細胞が萎縮 | 肌が肥厚 |
肌の色 | 白色 | 褐色や黄色っぽくなる |
発生部位 | どこでも | 光が当たりやすい部位 |
アメリカの研究で、左ハンドルのトラックを28年間運転した男性が、常に運転中に紫外線が当たっていた顔の左側にのみ深いシワやたるみが起こったというデータもあります。年齢による老化と光老化は肌に起こるメカニズムが全く異なるため、対策の方法も異なることを抑えておきましょう。
光老化を防ぐ方法
紫外線による光老化
日焼け止めの活用
光老化の代表的な予防方法は、日焼け止めを塗って過度な紫外線から肌を守ることです。日焼け止めを日常的に使った結果、色むらの面積、シミの数、角質の水分量低下を予防できたという研究結果もあります。
日焼け止めには「SPF」と「PA」の表示があります。SPFは紫外線B波から肌を守る効果を示す数値で、高いほど効果があります。PAは紫外線A波から肌を守る効果を示し、数値の大きさを「+」で示しています。「PA+」から「PA++++」までの4種類があり、+が多いほど効果があります。
日焼け止めは時間とともに効果が低下するため、2~3時間ごとに塗り直すことが重要です。また、家の中でも窓から紫外線を浴びるため、窓にUVカットフィルムを貼るなどの対策もおすすめです。
日焼け止めの選び方
SPF値 | 使用シーン |
---|---|
SPF10~20 | ちょっとした散歩や買い物 |
SPF20~40 | 短時間の屋外スポーツやレジャー |
SPF30~50 | 炎天下での長時間の外出やマリンスポーツ |
PA値 | 使用シーン |
---|---|
PA+ | 日常生活での散歩や買い物など |
PA++ | 屋外での軽いスポーツやレジャー |
PA+++ | 炎天下でのレジャーやマリンスポーツ |
PA++++ | 長時間炎天下にいる時、紫外線が強い場所で過ごす時 |
抗酸化物質の摂取
光老化の原因の一つは、真皮のたんぱく質の変性です。これは、紫外線やブルーライトを浴びることによって活性酸素が発生することで進行します。抗酸化作用のあるβカロテンが豊富に含まれているブロッコリーやトマト、ビタミンCが多いかんきつ類、ビタミンEが豊富なゴマやアボカドなどを積極的に摂取することもおすすめです。食事で摂りづらい場合は、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントなどで補うと良いでしょう。
ブルーライトによる光老化
スマートフォンの使用を控える
スマートフォンの利用時間は年々増えています。1時間使用したら15分休憩することなどもおすすめです。また、iPhoneには液晶画面からの光を調節する「ナイトシフト」機能があります。この機能を使うとブルーライトの量を減らせるので、スマートフォンの機能を活用してみてください。
ブルーライトをカットするグッズを使用する
ブルーライトは、寝る直前にデジタルデバイスを使用することで睡眠の質を低下させる可能性があります。ブルーライトは体内のメラトニンの分泌を抑制し、眠りにくさや寝つきの悪さを引き起こすと言われています。就寝1時間前にデバイスの使用を控えるか、ブルーライトをカットする機能やメガネを使用すると良いでしょう。パソコンを使用する時には、ブルーライトカットメガネの利用も有効です。
光とは上手に付き合おう
紫外線は、光老化を引き起こす原因になりますが、私たちの健康にも役立っています。低い線量の紫外線は、皮膚や骨を強くするビタミンDを合成することを促し、腸からのカルシウム吸収を助けます。また、日光を浴びると血行が促進され、ストレス軽減ホルモンであるエンドルフィン類のホルモンが分泌されるなど、適量の紫外線は体に良い影響をもたらします。
日光をむやみに避けるのではなく、きちんとした紫外線対策をしながら上手に付き合いましょう。
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