理学療法士から見た脊髄梗塞

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こんにちは!こうのブログをご覧いただきありがとうございます。今回は、有名人の罹患で話題となった脊髄梗塞について、理学療法士の視点から詳しく解説しました。脊髄梗塞は稀な疾患ですが、発症すると深刻な後遺症を伴うことが多いです。総合病院での経験を基に、脊髄梗塞の概要、危険因子、症状、予後、そしてリハビリテーションについてお話ししました。

脊髄梗塞とは?

脊髄梗塞は、脊髄の血管が詰まり、血流が阻害されることで神経細胞が死んでしまう状態です。脊髄は脳からの指令を身体各部に伝える重要な役割を担っており、その機能が失われると大きな影響を及ぼします。脊髄梗塞とは、脊髄の血管が詰まることにより、脊髄への血流が阻害され、神経細胞が死んでしまう状態を指します。脊髄は中枢神経系の一部であり、脳からの指令を身体各部に伝える役割を果たしているため、その機能が損なわれると重大な影響を及ぼします。脊髄梗塞の発症は比較的稀で、脳梗塞や心筋梗塞に比べると認知度は低いですが、発症すると重篤な後遺症を残す可能性があります。

脊髄梗塞の危険因子

脊髄梗塞の主な危険因子には、動脈硬化、高血圧、糖尿病、脂質異常症、そして喫煙があります。これらの因子が重なることでリスクが高まります。特に高血圧、糖尿病、脂質異常症の三つの要因が揃うと、脊髄梗塞のリスクが著しく増加します。

脊髄梗塞の症状

脊髄梗塞の症状は、発症部位や範囲により異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。

  1. 突然の激しい背中や腰の痛み
  2. 筋力低下や麻痺
  3. 感覚異常
  4. 排尿・排便障害

脊髄梗塞の予後

脊髄梗塞の予後は、発症後の早期対応とリハビリテーションに大きく依存します。損傷した神経は完全に回復することは難しいといわれますが、適切な治療とリハビリテーションにより、機能の一部を取り戻すことが可能です。脊髄梗塞の予後は、発症後の早期対応とリハビリテーションの実施に大きく依存します。早期のリハビリテーションは、機能回復の鍵となるため、専門的な治療を受けることが重要です。

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脊髄梗塞のリハビリテーション

脊髄梗塞のリハビリは、患者の症状や機能障害の程度に応じて個別に計画されます。以下は、リハビリの基本的な流れの一例です。

  1. 基本動作訓練
    • 寝返りや起き上がりの練習
      寝返りや起き上がりの練習:ベッド上での基本的な動作から始めます。これにより、筋力とバランス感覚を取り戻します。
    • 座位(座る練習)
      椅子やベッドの縁に座る練習を行い、体幹の安定性を高めます。
    • 立ち上がり練習
      座った状態から立ち上がる練習を繰り返し行い、足腰の筋力を強化します。同時に、感覚機能低下を起こしていることがおおくみられるため足底に対し感覚刺激を入れることが下肢(足・腰のこと)の機能や残存能力の早期改善につながっていきます。
  2. 移乗練習
    • 車椅子への移乗
      車椅子への移乗:ベッドから車椅子への移乗練習を行い、自立した移動ができるようにします。
  3. 歩行練習
    • 歩行補助具の使用
      まずは平行棒・歩行器や杖を使って歩行練習を行い、徐々に歩行距離を延ばしていきます。

リハビリの重要性

リハビリテーションは、脊髄梗塞からの回復において非常に重要です。早期のリハビリは機能回復を促進し、合併症の予防にもつながります。長期間のベッド上安静は筋力低下や関節拘縮を引き起こすため、早期の動作訓練が必要です。また、心理的なサポートも重要で、患者がリハビリに積極的に取り組める環境を整えることが大切です。

脊髄梗塞や脊髄損傷のリハビリで私が大切にしていたこと

脊髄梗塞や脊髄損傷の患者さんを担当する際に、私が特に重視していたポイントについてお伝えします。これらの患者さんにとってリハビリテーションは非常に重要であり、私たち理学療法士の役割も大きいです。以下の点に気を付けて、患者さんのサポートを行ってきました。

コミュニケーションの重要性

患者さんとのコミュニケーションは非常に大切です。患者さんは不安や恐怖を感じていることが多く、信頼関係を築くことがリハビリの成功に繋がります。そのため、患者さんの話に耳を傾け、共感し、理解を示すことが重要です。

無責任なことは言わない

リハビリの過程で「必ず治る!」などといった無責任な発言は避けるべきです。現実的な回復の見込みについて正直に話し、患者さんに過度な期待を抱かせないようにすることが重要です。希望を持たせることは大切ですが、現実的な範囲内で行うべきです。

安全を確保したリハビリの実施

リハビリ中の転倒やその他の危険を避けるため、常に安全を確保した環境でリハビリを行います。患者さんの状態をよく観察し、必要に応じて補助具を使用するなどの対策を講じます。

うつの合併に注意

脊髄梗塞や脊髄損傷を患った患者さんは、うつ病を併発するリスクが高いです。そのため、患者さんの精神状態にも注意を払い、必要に応じて心理的サポートを提供します。うつの症状が見られる場合には、専門のカウンセリングや精神科医の紹介も検討します。

代償動作の選択・代償生活の検討

患者さんの機能回復が難しい場合、代償動作や代償生活を検討します。例えば、特定の動作ができない場合には、別の方法で同じ動作を行えるように指導します。また、日常生活での動作を補うための補助具や環境整備についてもアドバイスを行います。

まとめ

今回は、脊髄梗塞について理学療法士の視点から詳しくお伝えしました。
脊髄梗塞は稀な疾患ですが、発症すると重篤な後遺症を残す可能性があります。日常生活での健康管理が発症リスクを低減するために重要です。発症した場合には、早期の専門的な治療とリハビリテーションが機能回復の鍵となります。脊髄梗塞について理解を深め、適切な対応を心がけることで、より良い生活の質を維持することが可能です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回のブログもお楽しみに!

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