理学療法士が、経験から考える認知症のリハビリについて

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こんにちは!!

今回は、私自身の経験をもとに認知症や認知機能低下の方々への理解や介入方法を中心にお話していこうと思います。

 

認知症の定義について

認知症は、記憶、思考、判断などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。代表的な症状として、記憶障害、認知障害、行動・心理症状(BPSD)が挙げられます。認知症は病気の進行によって徐々に症状が悪化し、最終的には日常生活全般に大きな影響を及ぼします。認知症の原因となる疾患は多岐にわたり、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。

  • アルツハイマー型認知症: 最も一般的なタイプで、脳内にアミロイドβタンパクが蓄積し、神経細胞が破壊されることで発症します。
  • 脳血管性認知症: 脳血管障害(例えば脳梗塞や脳出血)が原因で発症します。
  • レビー小体型認知症: 脳内にレビー小体という異常タンパクが蓄積することで発症し、パーキンソン症状を伴うことが多いです。
  • 前頭側頭型認知症: 前頭葉と側頭葉が萎縮することで発症し、人格の変化や行動の異常が顕著です。

認知症の罹患率

日本では高齢化が進むにつれて、認知症の罹患率も増加しています。厚生労働省の調査によると、2025年には約700万人が認知症を患うと予測されています。これは65歳以上の高齢者の約20%に相当します。認知症は高齢者に多い病気ですが、若年性認知症も存在し、40代や50代で発症するケースもあります。

認知症のリスクについて

認知症のリスク要因は多岐にわたります。まず、加齢は最も大きなリスク要因です。また、遺伝的要因も関与しており、家族に認知症患者がいる場合、そのリスクは高まります。他にも、高血圧、糖尿病、高コレステロール、喫煙、運動不足、社会的孤立、うつ病などがリスク要因として挙げられます。これらのリスク要因を適切に管理することで、認知症の予防や進行の遅延が期待できます。

理学療法士として経験した認知症のリハビリ

病院で理学療法士として働いている中で、多くの認知症患者とのリハビリを経験しました。その中で感じたこと、辛かったこと、大変だったこと、そしてそれ以上にやりがいを感じたことや嬉しかったことをお話しします。

辛かったこと、大変だったこと

認知症患者とのリハビリでは、コミュニケーションの難しさを痛感しました。患者さんは記憶力や認知機能が低下しているため、指示を理解してもらうのが難しいことが多々あります。また、行動・心理症状(BPSD)として、興奮や不安、妄想などが見られることもあり、その対応に苦慮することもありました。患者さんがリハビリを拒否することもあり、その度にどのようにアプローチすれば良いのかを模索する日々でした。

やりがいを感じたこと、嬉しかったこと

しかし、そのような困難を乗り越えた先にある喜びは格別です。リハビリを通じて、患者さんが少しずつでも身体機能を回復し、自分でできることが増えていく姿を見るのは大きなやりがいです。また、患者さんの表情に笑顔が戻ったり、ご家族から感謝の言葉をいただいたりする瞬間は、何物にも代えがたい喜びです。特に、認知症の進行を少しでも遅らせ、患者さんとその家族の日常生活の質を向上させることができたと実感できた時の達成感はひとしおです。

私が思う認知症との関わり方とリハビリについて

認知症患者との関わり方において重要なのは、患者さん一人ひとりの個性や背景を尊重することだと思っています。認知症は人によって症状や進行具合が異なるため、それぞれに適したアプローチが求められます。私は、患者さんとの信頼関係を築くことを大切にし、患者さんのペースに合わせたリハビリを心がけていました。

運動の重要性

運動は認知症のリハビリにおいて非常に重要です。定期的な運動は、脳への血流を促進し、認知機能の維持・向上に寄与します。特に、有酸素運動や筋力トレーニングは効果的です。また、運動を通じて社会的交流が生まれることも、認知症予防に有益です。私は、患者さんが楽しみながら続けられる運動プログラムを提案し、リハビリを行っています!!

認知症への理解について

認知症への理解を深めることも重要です。患者さんの行動や言動に対して、理解し共感する姿勢が求められます。認知症は単なる記憶障害だけではなく、様々な症状が複合的に現れるため、総合的な視点で患者さんを支えることが必要です。また、家族や介護者にも認知症についての正しい知識を提供し、共にサポートする体制を整えることが大切です。

まとめ

認知症は誰にでも起こりうる病気であり、その影響は患者本人だけでなく、家族や社会全体に及びます。理学療法士として、認知症患者とのリハビリに携わることは多くの挑戦と共に、大きなやりがいをもたらしてくれます。運動の重要性や認知症への理解を深めることで、患者さんの生活の質を向上させることができると信じています。今後も、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、最善のリハビリを提供していきたいと思います。

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