理学療法士が教える姿勢と呼吸の確認

ケガ予防

こんにちは!今回は、姿勢と呼吸についてのお話です!

肩こりや腰痛がなかなか治らない、息苦しい気がする、もしかしたらこのような不調は、姿勢と呼吸が原因かもしれません。健康は食事と運動だけではなく、姿勢と呼吸も大きく影響します。普段の生活でなかなか意識することが難しいからこそ、少し改善するだけで健康的な身体づくりができます。今月は、姿勢や呼吸が原因で起こる不調について、今すぐ実践できる改善方法をお伝えします。

姿勢と呼吸の関係性
姿勢と呼吸の関係とは?
姿勢と呼吸は切っても切れない関係にあります。なぜかというと、正しい姿勢を保つ筋肉と呼吸に使う筋肉がほぼ同じ筋肉だからです。呼吸に関わる肋間筋、僧帽筋、脊柱起立筋、腹斜筋、腹直筋、横隔膜などは、姿勢を維持する働きも担っています。そのため、息を吐くと身体はゆるみ、吸う息で背骨はぐっと伸びます。数回呼吸をするだけで、身体が動き姿勢が変化することを感じられます。正しい姿勢を保っていれば呼吸が浅くならず、呼吸を深く行うと姿勢も悪くなりにくいように、姿勢と呼吸は深い関係にあります。

姿勢と呼吸による不調とは?
姿勢の悪さと、呼吸の仕方によって起こりやすい身体の不調をご紹介します。
1
姿勢が悪いと呼吸が浅くなりやすい
背骨はS字曲線を描いていますが、姿勢が悪いと胸が開かず肺が空気を入れづらい状態になります。
そのため、姿勢が悪いと自然と呼吸が浅くなってしまいます。
浅い状態の呼吸が続くと、身体の不調に繋がります。
2
骨の変形
側弯症、体幹筋の萎縮・機能障害などの骨の変形が起こりやすくなります。加齢による椎間板変性や小児期の側弯症の悪化、骨粗鬆症などによる圧迫骨折などで背骨の変形が起こると、腰痛や胃腸の不調などに繋がります。
3
心機能の低下
浅い呼吸が繰り返されると、肺機能の低下に繋7sal
人いて
がる場合があります。浅い呼吸が続くことで肺機能が低下すると、慢性的な酸欠状態になる可能性もあります。
4
冷え性
呼吸が浅くなって肺機能が低下し慢性的な酸欠状態になると、身体の隅々まで酸素が行き届かず、血行不良となり、冷え性などの不調を引き起こす場合があります。
5
自律神経の乱れ
浅い呼吸が続くと自律神経が緊張状態になります。
緊張状態になるとイライラしやすくなったり、焦燥感を覚えたりなど、心の不調にも繋がります。

正しい姿勢と呼吸とは?

正しい姿勢にしようと思って腰をそらせてしまうと、腰痛に繋がり逆効果になります。正しい姿勢を把握して不調を防ぎましょう。足を肩幅程度に開いて、かかとを壁につけてまっすぐに立ちます。この際に、自然と後頭部や胸の後ろ、お尻が壁につかず、腰と壁の間に手のひらが入る程度の隙間があいていない場合は姿勢が悪くなっている可能性があります。良い姿勢とは、立ったときに耳・肩・腰・膝・くるぶしが一直線上に位置している姿勢のことを言います。

壁に背中をつけてみて、耳・肩・腰・膝・くるぶしが一直線にならない場合は悪い姿勢になっている可能性があります。
最近では、日常的なスマートフォンやパソコンの操作が原因となる姿勢の悪さも問題となっています。家事などで前かがみになったり、腰をそらせてしまうことによって背骨の歪みが起こる場合もあります。

正しい呼吸
呼吸で大きな役割を担っているのが横隔膜です。横隔膜は胴体のほぼ真ん中にあるドーム状の筋肉で、息を吸うときに使う筋肉です。息を吸ったときに収縮してぐっと下がり、息を吐いたときはぐっと上がります。この横隔膜の上下の動きがあるからこそ、呼吸ができます。呼吸が浅くなるのは、この横隔膜の動きを上手く使えていない状態をいいます。呼吸を意識していないと「胸郭」が硬くなり、横隔膜を大きく動かしづらくなります。胸郭とは、肋骨と胸椎(背骨)、胸の真ん中にある胸骨という骨によって構成されているカゴ状の骨格で、心臓や肺をおさめているとても重要な部分です。この胸郭の可動性がよく、横隔膜の上下運動が十分にできていると深い呼吸をできるため、良い呼吸と言えます。

以下に、姿勢と呼吸の向上を目的とした簡単なトレーニングをご紹介します。

1. 横隔膜のストレッチ

やり方:

  1. 座って背筋を伸ばし、膝を曲げます。
  2. 右手を胸の上に置き、左手を腹部に置きます。
  3. 息を吸いながら、腹部に手を押し当て、胸を膨らませます。
  4. 息を吐きながら、腹部の筋肉をゆっくりと引き締め、胸を収縮させます。
  5. これを10回程度繰り返します。

セット数と頻度:

  • 1日に2セットを目安に、朝と夜の日常生活に取り入れましょう。

2. ウォールスクワット

やり方:

  1. 壁に背中をつけ、足を肩幅程度に開きます。
  2. 膝を曲げ、体をゆっくりと壁に沿って下げていきます。
  3. 膝が90度に曲がるまで下げ、その姿勢を数秒間キープします。
  4. ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

セット数と頻度:

  • 1セットを10回程度行い、1日に2セットを目標にしましょう。週に3〜4回行うと効果的です。

3. プランク

やり方:

  1. 足を揃え、腕立て伏せの姿勢になります。
  2. 肘を直角に曲げ、体を支えるようにします。
  3. 背中を真っすぐに保ち、おへその位置を引き上げたり沈めたりせず、体を一直線に保ちます。
  4. この姿勢をキープし、深呼吸を行います。

セット数と頻度:

  • 10秒から始めて徐々に時間を延ばし、最終的には30秒から1分間キープしましょう。1日に2セットを目指し、週に3回行います。

これらのトレーニングを継続的に行うことで、正しい呼吸と姿勢の向上が期待できます。

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